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箱崎の公共岸壁は、同社の専用岸壁ではないので、フェリーの専用岸壁によくみる大型緩衝護岸設備はなく、通常の防舷材が取り付けてあるのみだ。船長にとっては操船に神経を使うことだろう。
離岸して防波堤を通過するまでは、平均七ノットで約十一分、防波堤から第一航路標識まで平均十一ノットで約十五分、この間、旧防波堤の残骸があり、可航幅が著しく狭いので船橋は緊張の連続だ。
第一航路標識を通過して玄海島正横までの博多湾内は、操業漁船が多いのでフルスピードにすることはできない。レーダーと目視で十分に注意しながら航走し、玄海島を完全にかわった時点でやっと航海速力二十五ノットになる。そしてあっという間に六連島沖、午前零時を少し回っていた。ここで当直者以外の者は船橋を離れた。
船長の点検
好天、なぎにめぐまれ、ぐっすり休んだ翌朝は、午前九時から船長と松本事務長の旅客エリアの点検にお供する。
約四十分のこのような点検を毎日行うことは、旅客エリアの異常の有無を見るだけでなく、船内秩序維持の見地からも効果があるものと思った。

 

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甲板部の点検
甲板部の定時点検は午前十時から田口甲板手ら三人で始まった。車輌甲板では車輌の移動止めを一台一台チェック、この日は車輌が

 

 

 

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